2013年06月20日

米緩和縮小へ 「株安・円高」に歯止めも





 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が19日、量的緩和策を年内に縮小する可能性を示したことで、市場では最近の「株安・円高」に歯止めがかかるとの見方が強い。「株高・円安」で個人消費や企業の投資意欲を刺激し、実体経済が回復するシナリオを描く日銀には「強力な援軍になる」との見方も出ている。

 20日の東京外国為替市場は、バーナンキ議長の会見を受けてドル買い・円売りが優勢だった米市場の流れを引き継いで円安が加速。夕方には一時、前日より3円程度円安・ドル高の1ドル=98円台をつけた。東京株式市場は米株安の流れのほか、アジア株安も重しとなった。日経平均株価の終値は1万3000円台はキープしたが前日比230円安と反落。

 20日の株安は「米国の緩和縮小による『緩和マネー』流出懸念も影響した」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)格好だが、外国為替市場では「日本が金融緩和を継続する一方、米国が縮小に向かうことで円安・ドル高の流れとなりやすい」(ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミスト)。このため今後については「米景気の回復期待も背景に中期的に円安・ドル高基調になり、輸出産業などの業績回復期待から日本株は買われていく」(SMBC日興証券の宮前耕也エコノミスト)との見方が出ている。

 FRBが緩和縮小のスケジュール感を示したことで「円安・株高」に回帰した場合、日銀の金融政策にも影響しそうだ。まずは日銀への風当たりが和らぐとの見方が出ている。宮前氏は「5月下旬以降の円高・株安で、日銀の金融緩和効果が薄れたと指摘されていただけに、追加緩和などを迫る市場の声は小さくなるだろう」と指摘する。ただ、矢嶋氏は「日銀はなお不安定な長期金利の動きを意識せざるを得ない」と指摘し、金利抑制に日銀が苦慮する場面もあるとの見方を示す。

 一方、異次元緩和を導入したばかりの日銀にとって「出口」を探るFRBの動向が「参考になる」(黒田東彦総裁)のは間違いない。バーナンキ議長が「年内に資産買い入れの縮小」「来年半ばごろに資産買い入れの停止」と具体的なスケジュールに言及したことについて、農林中金総研の南武志主席研究員は「市場の反応を見つつ出口政策の地ならしをうまくやった」と評価。そのうえで、「日銀が2年間で2%とする物価上昇目標は依然として市場の信認が低い。スケジュールの変更を含め日銀も市場が納得できるような対応を考える必要がある」と指摘する。


posted by 切葉鳩 at 21:30 | 北海道 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 世の中
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