2015年07月04日

米雇用統計「玉虫色」、9月利上げに疑問符

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は、労働市場の回復を示す「決定的な証拠」を利上げ条件の1つとしているが、6月雇用統計は強弱まちまちの内容に終わり、議長が求める「証拠」にはならなかった。

6月は非農業部門の雇用者数が22万3000人増となり、まずまずのペースでの増加が示されたが、賃金は伸びず、労働参加率は再び低下に転じた。さらに、不本意ながらパートタイムの職についている人の数も前月から変わらず、ここ3カ月は650万人前後で推移している。

雇用統計だけで、多くが予想している9月利上げが先送りされることはないかもしれない。ただ、FRB当局者の多くが望んでいる賃金の伸びが見られなかったことは、利上げに対する強い逆風と言えよう。

ギリシャ問題などでユーロ圏が混乱していることもあり、投資家の間では、利上げ時期を2016年とする見方が優勢になりつつある。

コンサルタント会社キャピタル・エコノミクスの米担当シニアエコノミスト、ポール・デール氏は「賃金の伸びの持続的な加速が見られないなか、FRBは利上げ時期を先送りし続ける可能性がある」と話す。

ただ、雇用者数が引き続き増加し、失業率も完全雇用の水準に接近していることを踏まえると「9月利上げの可能性はなお残る」という。




<労働参加率が再び低下>

22万3000人という雇用者数の増加幅は、なお堅調なペースだと言え、今年の平均も上回っている。失業率も5.5%から5.3%に低下し、FRB当局者が予想する年末時点の水準のレンジ内にある。

ただ失業率改善の背景には労働参加率が62.9%から62.6%に低下したことがある。労働市場から外れた人は失業者数にカウントされないため、労働参加率が低下すると、失業率が押し下げられやすい。

米国の労働参加率はこの1年間、低下に歯止めがかかり、FRBも、景気回復が労働市場の隅々まで広がっている証拠と歓迎していた。

ところが労働参加率は再び2007─09年のリセッション(景気後退)時のようなトレンドに逆戻りしており、アリアンツのチーフ経済アドバイザー、モハメド・エルエリアン氏は「心配」と話す。「経済の長期停滞論が広がり、9月利上げに疑問符が付く」との見方を示した。

米シンクタンク、エコノミック・ポリシー・インスティチュートのエリーズ・グールド氏は「労働者の苦境はなお続いている」とし「FRBが現行政策を維持する必要があることは明々白々」と語っている。

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posted by 切葉鳩 at 00:55 | 北海道 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 世の中
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