微小粒子状物質(PM2.5)とは大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの1千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた10μm以下の粒子である浮遊粒子状物質(SPM)よりも小さな粒子。
PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、肺がん、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されている。
東アジアでは黄砂や人為的活動由来の煙霧の国境を超えた汚染(越境汚染)が深刻化・問題化している。
中国では北京などがある華北を中心として冬季に大気汚染が悪化する傾向があり、2011年12月や2013年1月に激しい汚染が発生して高濃度の粒子状物質が観測されている。はじめ当局は数値を公表せず、汚染について国営メディアは「濃い霧」などと報じていた。2011年11月に北京アメリカ大使館が独自にPM2.5の監視とツイッターでの公表を開始した際、当局は公表を差し止めるよう要求している。その後当局は方針を変えて測定・発表を始めている。
旧暦で新年を迎える際(春節1月前半〜2月前半)の慣習で一斉に用いられる爆竹の煙も汚染源となっており、例えば北京ではPM2.5が2012年1月23日午前1時に前日の80倍の1,593μg/m3に急上昇した後、朝には約40μg/m3まで低下している。
2013年1月の汚染は「1961年以来最悪」(北京日本大使館)、「歴史上まれにしか見られないほど」(中国気象局)とされるレベルで、風が弱かったため10日頃から始まった激しい汚染はおよそ3週間も継続し、呼吸器疾患患者が増加したほか、工場の操業停止や道路・空港の閉鎖などの影響が生じた。12日には北京市内の多くの地点で環境基準(日平均値75μg/m3)の10倍に近い700μg/m3を超え、月間でも環境基準(同)を達成したのは4日間だけとなり、北京日本大使館によれば143万km2・8億人、中国環境保護部によれば中国国土の4分の1・6億人に影響が及んだ。北京ではPM10も、2012年の年平均値が109μg/m3で環境基準(年平均値70μg/m2)を超過している[55]。この汚染に対して、都市部での露天串焼きを厳しく取り締まるなどの対策が発表されているが、効果は疑問視されている。
2013年1月の汚染の様子は他国にも報じられ、韓国や日本への越境汚染が懸念される事態となった。日本でも同時期に環境基準の日平均値35μg/m3を超え最大で基準の3倍程度に達した地点がいくつかあった。日本の自治体の中には独自の情報提供を検討・開始するところも出ている。
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